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いやな事、思いだした BUSINESS LAW JOURNAL (ビジネスロー・ジャーナル) 2014年 08月号 [雑誌] 

 連載は終えたので、番外編です。
 BLJ8月号の「実務解説 土地取引における土壌汚染・地中障害物の最新予防法務」を読んで、またいやな記憶が蘇りました。土壌汚染に関する記事を読む度、「うあああ」と思っていたので、いっそ書いてしまえと思ったわけで。
(とはいえ、ずばりそのものは書けないのでご承知おきください)

 一度目に会社売却されたときはLBOのスキームが用いられたことはたびたび触れました。ほぼ会社全資産に担保がつけられました。当然、事業所・工場の敷地(未使用部分も含む)、建物にもつけられたのですが、「工場の敷地」を巡って勃発したわけです。「土壌汚染・地中障害物」が。

 昭和40〜50年代という環境についてはおおらかな時代、工場で出た廃棄物で「燃えない、燃やせない」ものは、敷地内に埋めていたのですよ。古い関係者にきくと「あー、埋めたぞ、あそこは。いっぱい埋めた。」と当然のようにいいます。「ある日、ガスが出てたんだな、火柱がたってさ、あいつ眉毛焦がしたんだぜ」なんてことを懐かしむ人もいます。
 そのツケが現代に回ってきているということで。

 株式譲渡前のDDでも、土壌汚染リスクに関しては確認があったはずなのですが、それほど厳密なものではなかったのかもしれません。それが、いざ金融機関が抵当権を設定する段になって、現地確認をしたところちょっとDD時の回答と現地の状況が異なったことで問題になったのです。
 金融機関としては土壌汚染・地中障害物のある土地に抵当は設定できない。代替えの担保を差し出すか、埋設物を全部掘り出せと厳しく迫ってきました。「瑕疵ある担保」は受け取れない、という当然な言い分なのですが。埋設物を全部掘り出せば億単位の出費、ほかに差し出す担保はないという状況でした。ならば「環境への影響度、リスクがない、限定的だ」との法律意見書を出せ、との要求。法律事務所を使って工場のある自治体と折衝したりなんだりで結果無事「法律意見書」が完成し金融機関は抵当権を設定できたのですが、数百万円の費用は対象会社負担、泣く泣く支払うことに。

 「土壌汚染・地中障害物」については売買取引の実例が挙げられますが、抵当権設定についても上記のようなことがあるわけです。売れない土地を差し押さえても意味がありませんからね。
 工場の敷地を抵当に入れて資金調達する、あるいは取引先の与信管理のために先方の事業用地に抵当権を設定するというときもこの問題はつきまといます。まあ工場の土地は触れないほうがよいのかもしれません。

 それにしても、いろいろあったなあ。


BUSINESS LAW JOURNAL (ビジネスロー・ジャーナル) 2014年 08月号 [雑誌]BUSINESS LAW JOURNAL (ビジネスロー・ジャーナル) 2014年 08月号 [雑誌]
(2014/06/21)
不明

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カテゴリ:正しい会社の売られ方

2014/06/27 Fri. 06:49 -edit- Trackback 0 / Comment 0

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正しい会社の売られ方 それでも会社は続いていく 

 勤務先は2月決算。5月末に定時株主総会を開催しました。
今回の総会で常勤取締役と監査役がそれぞれ1名、退任、辞任しました。
これにより本篇で書いている売却劇の初期から関わっていた役員がいなくなりました。
7年という年月が経過しようとしているのですから自然のことといわれればそうなのですが、会社にとって一区切りを迎えたというのでしょうかね。

 辞任に先立ち、監査役は経営会議での監査役報告の席上、二度の売却劇を経たことで生じた懸案を指摘すると同時に将来を託すコメントを残していきました。この方は最初の売却のとき取締役でした。株主の事情で二転三転としていく会社のなかでときに怒り、ときに空しさを抱いていたこともあっただろうと思います。


 M&Aについて、売って成功、買って成功という事例はよく取り上げられます。
 M&Aの数だけ対象となった会社、事業部門があるはずなのですが、それらの中の声は残っていません。
「声」をあげられる人がその会社や事業部門から去ってしまうからなのかもしれません。
実際、2度目の売却が異業種の子会社に収まる垂直統合でしたから勤務先は今のところ原形をとどめていますが、これが水平統合であったなら、おそらく僕は職場に残れなかったかもしれません。
 声を挙げられるうちに残しておこうと書き始めた本篇、IPOまでこぎつけられたら格好よかったのですが、なかなか思う通りにはいかないものです。

 二度の企業再編を経ながらも、離れていかなかった販売先、取引先には感謝のことばしかありません。
売主や買主が格好のいいことをいっても、当の対象会社からこれらの方々が離れていき事業が進まなくなれば何の意味もありません。

M&Aは対象会社・事業部門が何らかの形で事業を継続し収益を上げ続けてこそのもの。
また入口だの出口戦略だのいわれますが、対象会社・事業部門にとっては商売が続く以上「出口」などないのです。


 つたない内容にも関わらずずるずると続けてきましたが、本稿今回で一区切りつけます。
お付き合いいただいた方に御礼申し上げます。
 
 あ、ブログは続けますよ。



カテゴリ:正しい会社の売られ方

2014/06/05 Thu. 06:55 -edit- Trackback 0 / Comment 0

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正しい会社の売られ方 二度の売却を経て6 

 「親」会社としての顔、「投資家」としての顔 について

 グループ会社管理について別に書く機会を考えていますが、とりあえず軽く。

 「親」「子」という日本語の持つ意味によるものなのか
親子会社とは便利な言葉ですが罪なような気がします。
言霊とでもいうのでしょうか。
親が子を見放すことがあるだろうか、あるはずがない、最初の売却前は皆そう思っていたに違いありません。
まだ法務に異動する前でしたが僕が「そんなことないよ」といっても、「考えすぎ」と笑われるのがオチでしたからね。

 そんなことがあったわけです。

「売却」するときは見事に「株主(投資家)」の顔でしたからね。これ以上君たちに投資できない、この一言でしたから。
そして、二度目に買収されたときは「投資したのは我々だ」です。
 でも、思うのです。最初から投資家の顔をみせておいてくれたほうが「優しい」のではないかと。

 M&A が珍しくもない時代、既に数多の「親会社」は「投資家」の顔を前面に出していると思います。
それに追いついていない「子会社」のほうが多いのではないかと。
 「子会社」だから受けられる恩恵というものがありますからね(もっともなければ意味がないですが)
 しかし、1人株主100%子会社は、本当に株主の意思ひとつでどうとでもなります。
 本当はぬくぬくとはしていられないのですよ。

 二度あることは三度ある、といわれます。
 正直それは勘弁なのですが、それでも何が起こるかわからないのがビジネス。
 心の片隅で覚悟しておかなければならないのでしょうかね。

 次回ぐらいで(いい加減)このシリーズ、いったん終わりにします。
 


 

 


カテゴリ:正しい会社の売られ方

2014/05/30 Fri. 06:55 -edit- Trackback 0 / Comment 0

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正しい会社の売られ方 二度の売却を経て5 

  ずるずると書き連ねて(書き損じか)いますが。

 企業再生とは誰のためのものか、ということについて。

 勤務先の事例では「対象会社を売り物になるまで仕上げること」だったのかなと。当初の計画や思惑は違ったかもしれませんが、結果としてはそういうことだったわけで。
 最初の売主から斬り飛ばされたときの状況を考えれば、よほどの覚悟や自信がなければ投資などしなかったと思います。
ただ対象会社のほとんどの資産にレバレッジをかけた売却買収スキームは今でも腑に落ちませんし、何度となく繰り返した組織再編も表向きの理由はともかく、財務諸表のボトムラインを仕上げることがまず目的にあったし、株式譲渡契約の履行のためというものもありました。
 IPOについても上場という選択肢があったとは考えられますが、二度目のバイアウトのタイミングを考えれば「赤字企業が上場申請をするところまで仕上がりました」と買主候補にアピールする材料になったのでしょう。
 「企業再生請負人」と看板を掲げていても、投資ファンドは投資家にリターンを出さねばなりませんからね。

 対象会社は企業再生のゴールを「独立」と考えます。出口のところで、投資ファンドとはやはり一致しないものです。

 今になって思うのは企業再生の入口(売却)を対象会社がコントロールできないのは仕方がないにしても、出口については対象会社がコントロールできることがあったのではないかということ。
 勤務先がバイアウトされてしばらくして、勤務先と同様親会社から投資ファンド傘下にされたある企業が経営陣によるMBOを実施した事例をみて、勤務先は独立に向けてここまでの腹を括っていなかったなと嘆息するしかありませんでした。

 「売り物」に仕上がり、買主がつき再び上場企業の子会社となった今、多少なりとも独立企業を目指して作ってきたものは、買主企業グループにとってあまり価値があるものではなく、「一から作り直し」ということではないまでも「親会社仕様」に改められています。(現在進行形です)カネ出して買ったのですから、これも当たり前といえばそうなのですが、では5年かけてなんとか積み上げてきたことは一体何だったのか、下線部だらけの登記簿謄本を眺めながら思うのです。

(もうすぐ終わりにします)


カテゴリ:正しい会社の売られ方

2014/05/26 Mon. 06:49 -edit- Trackback 0 / Comment 0

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正しい会社の売られ方 二度の売却を経て 4 

  取り散らかってきていますが、今回は売却スキームの善し悪し、というか顛末について少し。
 対象会社の経験しかありませんので、よくわからないのですが。

 不振事業部門(子会社も含む)をどうするかということですが、他の事業者に売れればそれにこしたことはありません。
また自社内に置いておくよりも、他の事業者の傘下に入ったほうが、「活きる」部門もあるかもしれません。
 売主にとっては株式の「譲渡価額」が重要なのはいうまでもありませんが、他の事業者に売却部門の未来を託すわけですから、買主候補が提案する買収スキーム(事業再生計画)をどのように評価したのか知りたい、というのが本音です。まあ、今となってはという話ですが。

 買主が対象会社を買収したのちに、買主の「企業再生計画」の前提が崩れる事態が起こることがあります。
勤務先の事例でいうと、「性急な法改正が引き起こした官製不況」と「リーマンショック」でした。前者は株式譲渡があった年度の決算を直撃し金融機関が態度を硬化させました。後者はその影響により買主(投資ファンド)が事業再生計画上ビジネスパートナーとしてあげた企業2社のうち、1社が経営破綻、もう1社もまったくさっぱりという有様になってしまい、買主が用意した事業計画が「使えないもの」になってしまったのです。
たしかに「予期できない状況」だったかもしれません。「不運」といえばそうかもしれません。
状況からいって買主に出資している出資者も理解を示したことでしょう。

 しかし対象会社が「不運」ですまされることはありません。LBOにより金融機関と締結した「金銭消費貸借契約」の条項が重くのしかかってきます。
 結局、大幅な固定費削減を実施し状況を乗り切ったわけですが、その代償は小さくありませんでした。


 売却スキームのツケは対象会社が払う、ということではつらいですね。実際のところ。


カテゴリ:正しい会社の売られ方

2014/05/16 Fri. 02:25 -edit- Trackback 0 / Comment 0

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